生活保護と引っ越し 【引っ越し費用が支給される17の条件】

生活保護と引っ越し 生活保護

引っ越しには大きなお金が必要です。一般的には家賃の6か月分といわれますが、何度も引越しをしてきた私にもうなづける金額です。

生活保護を受給している場合、条件を満たせば敷金、礼金、家賃保証会社に支払う費用、引っ越し業者に支払う費用、新居でのエアコン設置費用などの支給を受けることができます。今回の記事では生活保護と引っ越しについて書いてみたいと思います。

引っ越し費用が支給される条件

以下は厚生労働省の生活保護実施要領についての文書です。長いため折りたたんでいます。

2020(令和2)年4月1日施行 生活保護実施要領等

問(第7の30) 局長通知第7の4の(1)のカにいう「転居に際し、敷金等を必要とする場合」とは、どのような場合をいうか。

答 「転居に際し、敷金等を必要とする場合」とは、次のいずれかに該当する場合で、敷金等を必要とするときに限られるものである。

1 入院患者が実施機関の指導に基づいて退院するに際し帰住する住居がない場合

2 実施機関の指導に基づき、現在支払われている家賃又は間代よりも低額な住居に転居する場合

3 土地収用法、都市計画法等の定めるところにより立退きを強制され、転居を必要とする場合

4 退職等により社宅等から転居する場合

5 法令又は管理者の指示により社会福祉施設等から退所するに際し帰住する住居がない場合(当該退所が施設入所の目的を達したことによる場合に限る。)

6 宿所提供施設、無料低額宿泊所(社会福祉法第2条第3項第8号に規定する無料低額宿泊事業を行う施設をいう。以下同じ。)等を一時的な起居の場として利用している場合であって、居宅生活ができると認められる場合

7 現在の居住地が就労の場所から遠距離にあり、通勤が著しく困難であって、当該就労の場所の附近に転居することが、世帯の収入の増加、当該就労者の健康の維持等世帯の自立助長に特に効果的に役立つと認められる場合

8 火災等の災害により現住居が消滅し、又は居住にたえない状態になったと認められる場合

9 老朽又は破損により居住にたえない状態になったと認められる場合

10 居住する住居が著しく狭隘又は劣悪であって、明らかに居住にたえないと認められる場合

11 病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合又は高齢者若しくは身体障害者がいる場合であって設備構造が居住に適さないと認められる場合

12 住宅が確保できないため、親戚、知人宅等に一時的に寄宿していた者が転居する場合

13 家主が相当の理由をもって立退きを要求し、又は借家契約の更新の拒絶若しくは解約の申入れを行ったことにより、やむを得ず転居する場合

14 離婚(事実婚の解消を含む。)により新たに住居を必要とする場合

15 高齢者、身体障害者等が扶養義務者の日常的介護を受けるため、扶養義務者の住居の近隣に転居する場合または、双方が被保護者であって、扶養義務者が日常的介護のために高齢者、身体障害者等の住居の近隣に転居する場合

16 被保護者の状態等を考慮の上、適切な法定施設(グループホームや有料老人ホーム等、社会福祉各法に規定されている施設及びサービス付き高齢者向け住宅をいう。)に入居する場合であって、やむを得ない場合

17 犯罪等により被害を受け、又は同一世帯に属する者から暴力を受け、生命及び身体の安全の確保を図るために新たに借家等に転居する必要がある場合

https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000604770.pdf

そのままだと少し読みにくいかもしれないので、少し平易な言葉で表してみます。

1.病院から退院するときに帰る家がない場合1
2.現在よりも低額な家賃の住居に引っ越す場合
3.行政から立ち退きを要求されている場合2
4.退職などで社宅から退去しなければいけない場合
5.社会福祉施設などから退所するときに帰る家がない場合3
6.無料定額宿泊所を利用しており居宅生活ができると認められた場合
7.勤務先が現在の居住地から遠く通勤が著しく困難な場合4
8.現住居が火災などの災害で消滅または居住にたえない状態になった場合
9.現住居が老朽または破損により居住にたえない状態になった場合
10.現住居が著しく狭いか劣悪で居住にたえない場合
11.現住居が病気療養上著しく環境条件が悪いと認められる場合または高齢者・身体障害者にとって構造が居住に適さない場合
12.住居が確保できないため一時的に親戚、知人宅などに住んでいた人が転居する場合
13.家主から立ち退きを要求されている場合5
14.離婚により転居する場合
15.高齢者・身体障害者などが介護を受けるために扶養義務者の近隣に引っ越す場合
16.グループホームや有料老人ホームに入居する場合
17.犯罪やDV被害を受けた人が生命および身体の安全を図るために転居する必要がある場合

満たすのが難しい条件も多い(境遇による)

17の項目を見て、どう感じられたでしょうか。現在のあなたの境遇・状況によって満たせる条件があるならいいのですが「自分には当てはまらないことばかりだ」と感じた方も少なくないのではないでしょうか。住居が災害にあったり、離婚したり、区画整理などで立ち退きを要求されるなどということは、基本的に人生でそう何度も経験することではないと個人的には思います。

安易に家賃を下げてはいけない理由

どんな境遇の人でも満たせそうなのは「2.現在よりも低額な家賃の住居に引っ越す場合」でしょう。この項目があるがために、生活保護を受けている人は安易に付近の相場よりも大幅に安い家賃の家に引っ越すべきではないと私は考えます。

公営住宅は家賃が安いが…
公営住宅は家賃が安いが…

たとえば公営住宅は一般的に付近の相場よりも大幅に安い家賃が設定されていることが多いです。首都圏でも1万円台や2万円台の住宅もあるかもしれません。他には民間賃貸であっても、事故物件などの「ワケあり物件」では相場よりも大幅に値下げして入居者を募集している例もあるでしょう。

生活保護を受けている人が、このような、付近の相場よりも大幅に家賃の安い物件に引っ越す場合は、慎重に検討する必要があります。安いからと安易に引っ越してはいけません。

その理由は、入居した後に騒音問題などの近隣住民とのトラブルに巻き込まれたり、環境の悪さなどに気付いて引っ越したいと考えたとしても、生活保護受給者にとって貴重なカードである「家賃を下げるために引っ越す」はもう使えないからです。なぜなら近隣にそれ以上に安い家賃の物件を探すことは困難だからです。同じくらいの家賃の公営住宅を探すといっても、年に数回しか実施されない抽選に当選しなければ入居できない住宅も多いでしょう。

引っ越し費用が支給される条件を満たせない場合は自費で引っ越すしかありませんが、ギリギリの生活を送っている生活保護受給者が引っ越し費用を貯金することは困難であることは言うまでもありません。

さらに敷金や礼金、保証会社に支払う保証料、引っ越し業者に支払う料金はもちろん、条件を満たして引っ越す場合に支給される可能性のあるエアコン、ガスコンロ、カーテンなどの家具什器費も自費転居の場合は自己都合の転居として扱われるため支給されず、すべて自費となります。

ですので、生活保護を受けている人が引っ越す場合は、極力上記の17の要件のどれかを満たして引っ越しにかかる費用の支給を受けるかたちで引っ越すべきだと私は考えます。

引っ越しを考えたら動き出す前に必ずケースワーカーに相談しておくこと

17項目のうち、どの条件を活用して引っ越し費用の支給を受けるかにかかわらず、引っ越しをしようと考えたなら早めにケースワーカーに相談しておきましょう。基本的に、どの条件であっても福祉事務所の承認が必要であると考えておけば間違いありません。「条件を満たしてるのだから問題ないだろう」と突っ走って引っ越しを進めて事後報告するのは適切ではありません。「事前に相談がなかった」と適用を否決されてしまう可能性もあります。

おわりに

今回の記事では生活保護を受けている人が引っ越す場合に、引っ越し費用の支給を受けられる条件に付いてまとめました。最後まで読んでいただいてありがとうございます。


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