障害年金が支給停止や減額(等級引き下げ)にならないために

障害年金が支給停止や減額(等級引き下げ)にならないために 障害年金

今回の記事では、精神障害者として実際に障害年金を受給している当事者の立場から、現状に則さない理不尽とも言える障害年金の支給停止や減額という事態を招かないために、どのようなことに気をつけたらいいのかについてまとめたいと思います。

なお、今回の記事では身体障害については取り上げていません。障害年金の永久認定を取ることが基本的に非常に難しいと考えられている精神障害のみを取り上げます。

精神疾患の障害年金は永久にもらえるわけではない

実際に精神障害で障害年金を受給している方はもちろん、これから障害年金の申請をして障害年金を受給しようと考えている方の中にもご存じの方がおられるかもしれませんが、精神障害で障害年金を受給する場合、受給できることが決まったとしてもそれは永久にもらえるわけではありません。

更新手続きが必要(医師の診断書が必要)

精神障害の場合、症状や病歴によって更新間隔は異なると言われていますが、基本的に1年から2年であることが多いようです。その際には医師の診断書が必要となりますので、更新が必要であることを知らずに病院に行くのを止めてしまった人は、突然に更新のお知らせのハガキが日本年金機構から送られてきて、大慌てするという場合もあるでしょう。

もちろん、もう症状が回復していて元気に暮らしており、もはや障害年金を受給しなくても生活していけるという状況であれば、それは望ましいことであるのですが、実際にはそうでないことも多いでしょう。

特に精神障害や人格障害の当事者は、医師との長期に渡る信頼関係を維持することが困難な人も少なくなく(リセット癖、ドクターショッピング)、たまたま運悪く医師と仲違いして通院をやめてしまった状況で、障害年金の更新のタイミングが訪れてしまうということもしばしばあることです。

まだ苦しい症状が続いており、障害年金というサポートを必要としている場合、このような困った事態になってしまったら、しんどい身体にムチ打って大慌てで別の病院を探し回るハメになってしまいます。くれぐれもご注意ください。

障害年金の更新のタイミングの基準は、あなたの誕生月です。せっかくこの記事を読んでくださったのですから、これだけは覚えていって頂けると幸いです。

支給停止や等級引き下げの理由

さて、障害年金の更新時に支給停止や等級引き下げの判断をくだされてしまうケースには、以下のようなものがあります。

  • 症状が回復したと判断された
  • 就労できるようになった

行政の判断に影響する要素

一人暮らしか、または家族と同許か

日本年金機構が障害年金受給者の症状を量る上で、その人が単独で生活を営めているか否か、という点が重視されるといわれます。言い換えれば家族と同居しているだけで症状がより重く判断される可能性があり、反対に単身で暮らしていれば実際よりも軽く判断されてしまう可能性があるということです。

引っ越し(一人暮らしの開始)は慎重にすること

ですので、障害年金を受給している人が現時点で家族と同居をしている場合は、もし家を出て一人暮らしを始めたら次回の障害年金の更新時の審査に影響する可能性がある、ということです。

現実に則さない等級引き下げや支給停止を防ぐため、一人暮らしを開始するなら自分の障害年金の更新時期を正しく把握した上で計画的に行いましょう。

一人暮らしでも自力で生活できない場合はヘルパーを利用しよう

すでに一人暮らしをしている方でも、自力で生活を営むことが困難であれば行政のヘルパーサービスが利用できないか調べてみてください。役所の障害者支援の担当窓口に問い合わせてみてください。
そして必ず、ヘルパーを利用しないと一人暮らしが困難であることを主治医に伝え、必ず障害年金の診断書にその事実を記載するよう依頼してください。もし記載されていなければ主治医に修正をお願いしてください。

仕事はできているか

単身で生活ができる状態なのかどうかに加えて、どの程度、仕事ができる状態なのかどうかについても審査の際には重視されるといわれます。働きたいという意志があって心身の状態としても働ける状態であるならそれは素晴らしいことです。

しかし、あなたの状態を日本年金機構がどう判断するかは、ほぼ主治医が記載する診断書によって決まります。あなたの主治医が、現在の日本における複雑かつ多様な働き方のありようについて、正しく理解しているかどうかは、現実に則さない障害年金の引き下げや支給停止を防ぐ上で非常に重要なってきます。

現在の日本では、仕事の形態も多種多様様々です。

  • 従来からある無期雇用(正社員)
  • 有期雇用(派遣など)
  • フリーランスで仕事を受注して稼ぐ
  • YouTubeで動画を配信して稼ぐ(ユーチューバー)
  • ウーバーイーツのような「ギグワーク」

主治医とのコミュニケーションが不可欠

このように働き方が複雑かつ多様になっているため、診断書を記載する医師にもこうした新しい働き方についての正しい知識が求められるようになっているのです。

具体的には、ユーチューバーといえば一見、華やかでさぞや稼いでいるのだろうと想像する人も少なくないでしょうが、実際には安定とは無縁の厳しい職業です。

中には精神疾患を抱えていても、ユーチューバーならなんとか家の中だけで完結できる仕事だから続けられる、という人もいるでしょう。実際にはその人は心の問題のためにほぼ外出もできず誰とも話していないと、ここでは設定します。

それをもし、ユーチューバーという仕事の実態を知らない医師が診断書に「動作撮影の仕事を継続しており良好な状態」などと記載したらどうでしょう?

この一文を見た人は、「この人は撮影ロケのために色んな場所に活発に出かけていって、いろんな人に会って、とてもアクティブな人のかな」という勝手なイメージを抱かれても不思議ではないでしょう。つまりこの一文は全く現実に即していません。診断書の内容を必ずチェックしてくださいと先ほど書いたのはこのためです。

例として上述したウーバーイーツにしてもそうです。診断書に「配送の仕事を初め継続している」などというのは完全に説明不足です。

「週に2日程度、昼時の2時間だけ配送業務に従事できる状態。業務委託契約(個人事業主)であり収入も極めて不安定」

と、ここまで細かく記載して初めて「ウーバーイーツってなんぞや?」という第三者にもあなたの現実が伝わるのです。

自信がなければ行政書士に依頼することもできる

自力でそのようなやりとりが難しいという場合は、主治医への、悪く言えば診断書のダメ出しといったやり取りまでサポートしてくれる行政書士に依頼をするという方法もあります。ただ、もちろん有料で、報酬の金額も人によって様々です。

おわりに

今回の記事では障害年金をすでに受給している場合に、更新の際に等級引き下げや支給停止処分を受けないための知識についてまとめました。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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