ベーシックインカムの実現にあたり、何を捨てて何を残すべきなのか – いくら必要なのか?

ベーシックインカムの実現にあたり、何を捨てて何を残すべきなのか - いくら必要なのか? ベーシックインカム

私は個人的に、ベーシックインカムの実現を支持しています。その理由は、以下の記事でも述べたように、現行の生活保護制度は問題が多すぎると考えるからです。

そこで、今回の記事では、ベーシックインカムを実現すると、いったい毎年あたり国の予算からいくらを捻出する必要があるのか?および、現行の社会保障精度のうち、ベーシックインカムに引き継ぐかたちで廃止できるものは何か?といったことについて考察してみたいと思います。

はじめに

まず、2021年の10月時点における日本の人口について調べてみました。総務省統計局が同年の10月20日に公表した統計によると、日本の総人口は1億2533万9千人で、これには在日外国人を含みます。ここから外国人を除いた「日本人人口」は1億2284万9千人です。以下のリンク先を参考にしました。

人口推計(令和3年(2021年)5月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)10月概算値) (2021年10月20日公表)

日本でベーシックインカムを実現するとして、はたして外国人も支給対象にするべきかどうかは議論がわかれるところでしょう。特別永住権を持つ外国人とそうでない外国人を考慮する必要もあるかもしれません。しかし今回の記事では焦点をシンプルにするために、総務省統計局がいう「日本人人口」を用いて話をすすめたいと思います。

無条件で支給する

今回の記事でいうベーシックインカムとは、日本国民であれば、無条件で支給されるとの前提にたちます。0才児でも支給されます。保護者がいる子供にお金を支給する必要はないだろうという意見もあろうかと思いますが、「無条件」というのがベーシックインカムの重要な要素だと私は考えています。

条件をいろいろとつけていけば、その結果として必ずチェック機構が必要となります。そうなれば、それはさながら現行の生活保護制度のように無駄に大きなコストがかかり、さらに悪いことに運営側による不正や利権の原因ともなりえます。

無条件とすることでそうした問題を生じるリスクを極力少なくする。さらに子供でも支給されるとなれば、少子化対策にもなりえるのではないかと個人的には考えています。

ベーシックインカムの金額は月額いくらが妥当か?

2021年からドイツでは、限られた人数の対象者ではありますが、ベーシックインカムの試験的導入が行われており、その金額は月額にして約15万円ほど。過去にはフィンランド、スペインなどでも試験的にベーシックインカムが導入されており、金額は月額で約6万円ほど。

日本でもベーシックインカムについて議論されている場面を目にすることも増えてきましたが、毎月支給される金額についてはおおむね7万円~10万円程度という意見が最も多いと個人的に感じています。5万円以下とか、逆に15万円以上という主張をする人は、少なくとも多数派としては存在しないと思います。

そこで、今回の記事では、日本でベーシックインカムを実現する場合の月額の支給額として7万円を設定して話をすすめたいと思います。

103兆円/年 (8.6兆円/月) が必要

実際に計算してみましょう、1億2284万9千人の国民に、月額7万円を支給するためには、年間にして約103兆円の予算が必要になります。月額にして8.6兆円です。

どうやって年間103兆円を確保するのか

老齢年金の廃止

老齢年金を廃止し、「一定以上の年令になれば毎月お金がもらえる」仕組みはなくします。

厚生年金保険・国民年金事業の概況((令和 3 年 5 月現在)」によれば、すべての年金の合計の給付金額は約50兆円です。そこから障害年金と遺族年金の合計を引いた老齢年金だけの合計が約42兆円です。つまり老齢年金を廃止すれば、ベーシックインカムの運営に必要な103兆円のうち42兆円を確保できます。「障害年金や遺族年金もベーシックインカムでカバーできるのではないか?」という意見もあるかもしれませんが、今回はとりあえず除外しています。

生活保護の廃止

生活保護制度を廃止すれば、毎年の支出から1.8兆円がベーシックインカムに使えます。これは、厚生労働省の資料「04-2参考資料(保護課)-4頁」で示されたデータをもとにしています。令和2年に生活保護のために使われた予算はおよそ3.8兆円で、そのうち半分は医療費です。

ただ、ベーシックインカムそれだけで、憲法に明記されている生存権の保証を担保できるのかということについては議論の余地があるかもしれません。「毎月お金をあげているのだから問題ないだろう」だけでは救済されない社会的弱者も出てくるのではないか?ベーシックインカム以外に「最後のセーフティーネット」としての生活保護は残すべきではないか?という主張もあるかもしれません。

ですが、現行の生活保護制度は、本当に「最後のセーフティーネット」として機能していると言えるのでしょうか?

生活保護は申請主義を原則としており、どんなに困っていても申請しなければもらえないし、生活保護受給中に何らかの理由で経済的に困窮したとしても、その分、余分にお金がもらえるという仕組みはありません。こうした点から見れば、申請、厳しい審査、水際作戦などを乗り越えないと受給できない生活保護よりも、無条件でもらえるベーシックインカムのほうが優れていますし、

「定められた金額しかあげません。お金に困っても追加の金額はあげません」
「今月分のお金はもうあげましたよね?あとは自己責任でお願いします」

という点では生活保護もベーシックインカムも同じです。

おわりに

ベーシックインカムを実現するに当たり、毎年必要な103兆円について考察してみました。上記で紹介した老齢年金の廃止や生活保護の廃止だけでは足りませんが、識者の意見としては現行の税から割り当てるなどの意見も存在しています。

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